老父の焦りが息子を殺害した。

具志堅興清

2021年08月03日 13:04

5、875-〇 老父の焦りが息子を殺害した。


 まずは老父が、引きこもりの息子を殺害した実話を紹介いたします。


 2019年の6月1日、東京都の練馬区で、元農林水産事務次官の老父(76歳)が、引きこもりの44歳の息子を包丁で胸を刺して殺害しました。



 次に著名な絵描きの老父が、引きこもりの息子を殺した(疑惑)小説を紹介します。


 太宰治が、1942年に書いた「花火」という作品です。


                                              小説のの冒頭で作者の太宰治は、昭和の初め頃、東京は四谷の或る画家の家庭で起きた事件ですと紹介しています。


 小説の最後の数行の中で読者は、父親が息子を池の中でボートから突き落として殺害したであろう事を確信するのだが、作者の太宰治は、あくまでも「疑惑」の霧に包んで作品を終了しています。


 以上、二件の息子殺害事件から私の心に伝わってくるのは、父親の切ない「焦(あせ)り」ばかりです。


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